いつか小説を書いてみたい

タイトルのまんまだけど。

いつか小説を書いてみたいと思っている。

 

書きたい話は決まっている。物語の始まりから、結末のワンシーンまで映像として浮かぶくらい明確に物語は出来ている。

にも関わらず書けない。途中で思いがつかえてしまうのだ。

 

物語には書き手のそれまでの経験、想いが練りこまれている。

それは生のままごろっと置かれていることもあれば、美しく調理されて人々がおいしく食べられるように工夫されていることもあるけど。

どんな形にせよ、すべての文章の中からその想いは立ち上ってくるのだ。

 

私にも伝えたい思いがある。吐き出したい思いがある。だからこそこんな形でひとりごとを綴っているのだけど。

 

人に想いを届けようとするとき、それは自分の中で消化できていないと外に出すことはできない。

何度も何度も考え、自分の一部となった思いだけが、自分の中から引き出される。

 

もちろん借り物の考えをさも自分の考えかのように語ることはできるけれども。

人の想いは行動に現れ、決してごまかすことができない。

それは文章を書くという行為の中でもごまかせないと思っている。

 

私には伝えたい想いがある。

たくさんの悩みや苦しみ、挫折を経験し、必死に考え生きてきた、その想い。

それを同じように苦しみ、悩みながらも懸命に生きようとしている人に伝えたい。

 

今私が考えていること、想っていることはまだまだ未熟で青臭く、風が吹けば飛んでしまうような淡いものなのだろう。

これからさらなる苦悩を重ね、何度も何度も考え、そのたびに拠り所とし大切にしてきた思いだけが、自分の血肉となり、そしていつか誰かの支えになれるのかもしれない。

 

今の自分には自分の書きたい物語は書けない。

だから今は考え続ける。ただひたすらに考え続ける。

そして今抱えるこの想いを消化することができたならば。自分の血肉に昇華することできたならば。

 

その時は、いつか小説を書いてみたい。